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第48回近畿学校保健学会 印象記
西宮市立西宮高等学校 北口 和美
雨がそぼ降る中、山間の道を通りながら外に目をやると木々の緑が一段と鮮やかに見える。その中に合歓の木を見つけた。「ピンクの合歓の花が散る頃になると水泳ができるぞ」と言って私達を喜ばせてくれた小学校の先生を思い出す。遠い昔の話である。日常の喧噪から解放されて学会場の兵庫教育大学に向かった。
世の中は変革の声高く、本学会も装いを変えて従来の発表方法から全てポスター発表となった。また、学会設立当初より「学校教育現場での問題点を大学で深く掘り下げ、その成果を学校にフィードバックさせ子どもの健康に役立てる」と言われているように、今回は学校保健に関する諸問題について学校や地域との連携を密にすることを目的に公開教育講演が行われた。
公開教育講演は「子どもたちの心の健康と学校の役割」について講演された。現代の子どもを理解する時のキーワードや育てていきたい力を臨床心理学的立場から具体的に提言された。そして、学校は場と時間と人をうまく機能させ心の応援団を作ること、学校精神保健活動の必要性が語られた。特別講演では「薬物乱用防止教育の考え方と進め方」について講演された。薬物乱用防止教育はスキル教育という回線がつながっていた私の頭には、ClarkとLeavellのいう疾病の自然史に従った予防医学の3段階を用いた薬物乱用防止の考え方が新鮮だった。そして疫学的な見地から社会的要因が厳しい時は、子どもの薬物乱用は少なくなり、要因が緩くなると多くなるという資料が提示された。
これらの講演では、子どもを取り巻く環境の変化や大人社会が呈している様々な事件や犯罪、不正の横行等、社会的正義と公正が失われつつある状況は子どもの心の発達、価値観や正義感、未来への希望などに様々に影響を及ぼしていることが示された。そして、子どもたちは自ら病み、傷つき、様々な健康問題を通して大人達に問いかけている。子どもの問題ではなく大人側の問題であること、教育で何をすべきか問題提起されたように思う。
シンポジウムは「総合的な学習の現状と展望について」行われた。今、高校では大学と社会の変化に伴って高校教育改革が要請されており、この課題解決が先行しているため本校では総合的な学習の取り組みはこれからである。それぞれのシンポジストから総合的な学習のplan・do・seeの視点を聞かせていただいたので今後の推進に生かしていきたい。
――平成13年9月2日 近畿学校保健学会通信 No.100 より――
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