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第47回近畿学校保健学会学会 印象記
いま、学校保健に期待されているもの ― 学会はいかに応えようとするのか ―
神戸大学発達科学部附属明石中学校 五十嵐 裕子
今回の企画には、参加してみて楽しいなかにも、学会長からの厳しいメッセージがこめられていたように、私には感じられました。とくに、山中先生が「村の渡しの船頭さんは…」と歌われ、和やかなムードで始まった特別講演。でも、お話が「17年前(1983)は日本が世界一の長寿国になった年で、その年に生まれたこどもたちが、いま問題を起こしている……」になった時、18年前の同じ京都での本学会での特別講演で山中先生が、一人ひとりのこどもが思春期を無事に乗り越えられるように、どう援助したらよいかを現場の私たちに分かりやすく話されたことを思い出しました。また、この特別講演の座長をされていた友久先生も、その時のシンポジウムで司会をしておられ、「別に」とか「さあ」とかに代表されるこどもの表現や主張をどう受け止め、大人に分かってもらえないこどもたちの心にどう迫るのか、司会者として学校が真に取り組むべき課題を提起されました。だから、「あの時しっかりあなた方に言ったでしょう、それに今まであなた方は何もしていないじゃない」というお叱りを受けているような思いで、今回の特別講演を拝聴しました。
ところで、7月21日付けの朝日新聞の論壇〔次項参照――編集委員会〕で吉岡忍氏が最近の少年事件を取り上げ、事件が起きるたびにその子が悪いのだと個人を診断し隔離することで問題解決していることに対し、背景をしっかり見て、人類の発展のためには、人間が作った社会的規範を私たち人間が壊し作りかえていくことも必要だ。学校としても、このことを実行していくべき段階であると論じていたが、この論壇も今回の特別講演と同様に現場にいる私たちに、教育現場を変えるような学校保健の努力を求めているのではないだろうか。
こどもの現状を考えるなら、教育全般にかかわる問題にこそ、積極的に参加し主体的に取り組まなければ……。特別講演のサブテーマ「学校保健への新たな期待」をしっかり受け止めようと、その後何度もテープを聞きながら自分自身に言い聞かせていました。
――平成12年8月31日 近畿学校保健学会通信 No.97 より――
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