|
第46回近畿学校保健学会報告
近畿学校保健学会 幹事長 勝野 眞吾
本年度の学会は平成11年6月26日(土)に宮下和久教授(和歌山県立医科大学衛生学教室)を会長として、和歌山県立医科大学を会場にして開催された。年次学会は同大学の新築まもない基礎教育棟、講堂において行われ、研究成果の発表と熱心な討議が行われた。
午前中の一般演題発表はA、B、Cの3会場で行われ、A会場では地域保健と学校保健、思春期・心の問題、保健室・疾病管理、B会場では起立性低血圧、生活習慣と健康(1)、(2)、C会場では健康評価、学校安全・薬物依存、保健教育、の総数30の演題が報告された。各報告はそれぞれ現代の学校保健の分野における重要なテーマについてのものであり、基礎的な研究、地域に根ざした調査研究、実践的な研究など、多角的な研究発表が行われた。
午後は昼食懇談会、評議員会、総会をはさんで、学会長講演と特別講演およびシンポジウムが行われた。学会長講演では本年度学会長の和歌山県立医科大学教授宮下和久先生(衛生学教室)が「家庭・学校・地域が育む子どもの健康」と題して講演された。講演では子どもたちの健康における家庭・学佼・地域の重要性を地域保健の立場を踏まえて整理してお話いただき、子どもたちとともに生活する地域で、子どもたちの視点で豊かに学び育つ環境を整えることが、結果として家庭・学校・地域が育む子どもの健康へつながることを示していただいた。
特別講演は福岡大学医学部公衆衛生学教室の守山正樹先生が「子供の目を通して環境と健康を見つめることの意味」と題して講演された。講演では従来の選択式の調査法とは異なる直接的・対話的調査法について環境を例に挙げて説明され、子供の目を通した健康教育情報研究の意義について述べられた。
最後に「学校保健活動の未来像−心の健康づくりをめぐって−」のテーマでシンポジウムが開かれた。このシンポジウムは武田眞太郎先生(和歌山県立医科大学看護短期大学部教授)と北山敏和先生(和歌山県教育庁保健体育課健康教育班長)のお二人による司会のもとで進められた。小学校の教育現場から久保仁蔵先生(白浜町立北富田小学校長)、養護教諭の立場から中村昭代先生(大阪府立今宮高等学校)、大学保健管理センターの立場から山本公弘先生(奈良女子大学保健管理センター長)、精神科医の立場から白瀧貞昭先生(武庫川女子大学教授)が、それぞれ異なった視点からこのテーマについて御発言されたのち、フロアも含めて活発な議論が行われた。
総会記録、一般講演についての座長のまとめ、学会長講演、特別講演およびシンポジウムのまとめ、学会印象記はそれぞれご担当の先生に執筆いただき、本通信に掲載したので御一読ください。
今年度の学会では、昼食懇親会という新しい試みが取り入れられ、昼食をとりながらなごやかな交流が行われた。本年度学会の企画運営にご尽力いただきました宮下和久年次学会長はじめ森岡郁晴事務局長、運営委員の先生方に心より御礼申し上げます。
――平成11年8月31年 近畿学校保健学会通信 No.94 より――
|