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第22回近畿学校保健学会を迎えるに当って
第22回近畿学校保健学会 会長 武田 眞太郎
サクラ前線が北上し、やがて新縁の目にしみる季節となります。近頃は、日々の食卓からは季節感が薄らいでしまいましたが、やはり、毎年着実に繰り返される自然の移り変りのなかで、春は何となく新しい仕事のできそうな活気に充ちた雰囲気を持っております。
昨夏の滋賀での第21回近畿学校保健学会の総会の席上、第22回の学会のお世話をお引き受けしてから、もうすでに半年が過ぎてしまいました。その間に、過去21回の学会で積み上げられた伝統の上に立って、参加される会員の方々に何か一つでも新鮮な印象が残り、あるいは、新しい研究の第一歩を踏み出していただけるような学会にしたいと念じて企画面で腐心いたしましたが、さいわい地元和歌山県の学校保健連合会はもちろんのこと、近畿各府県からお集まりいただいた学会幹事の諸先輩のお力添えのおかげで、ようやくこの学会通信で皆さまにご案内できるところまで準備が進んでまいりました。
学校保健の問題に直面したとき、学校保健独自の理論的根拠の少ないのに困惑することがしばしばあります。そこで、今回はシンポジウムのテーマに<精神の健康>を取り上げ、教育学、心理学、衛生学、医学のそれぞれの立場からの原点に戻っての論を展開していただくとともに、私どもが教育現場で抱えている多くの生々しい問題を投げかけることによって、私たち全員が参加した論議のなかから、それぞれの学問領域からの借り物ではない、学校保健独自の<精神の健康>に対する考えを育て上げていくことができればと念じております。このために、学会当日の午後は思いきってシンポジウム一本にしぼって、充分な討論時間を確保しましたが、テーマがテーマであるだけに、まとまった結論が直ちに出るとは思えません。しかし、この学会での全ての論議が引き金となって、参加された皆さんのそれぞれの持ち場で、さらに論議の輪が広がって行くことが、やがて学校保健独自の理論的根拠を築くことにつながるであろうと期待しております。
――昭和50年3月31日 近畿学校保健学会通信 No.27 より――
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