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第20回近畿学校保健学会を終えて
天理大学 教授 橘 重美
最近、我々の生活周辺では石油問題に端を発して、近代文明の歪があらゆるところにひろがり生きることの難しさと厳しさが浮彫りとなってきています。これからの未来社会での最も大きな関心事は生きること、健康であることに集中されることは間違いがないと思います。
しかし、社会全体のなかにはまだまだ健康に対する認識と理解が不充分で、もっと共通感覚としてのひろがりが必要です。そのためにも学校教育のなかで健康の領域が深められ浸透されなければなりません。
情報化時代の一つの特徴として早く見せ、速く聞かせたいために、我々の至るところで興味本位なものや枝葉末節のことがらがあまりにも多くなりすぎています。健康のことがらもこの例に洩れず、ともするとその本質が埋没して大切なものが見失われがちになっています。何が健康生活に本当に大切なものであるかを社会全体に熟知させるためにも、学校保健の果す役割と責任は今後一層重いものになると信じます。
昨年の第20回近畿学校保健学会でもこの視点にたって奈良で開催させて頂きました。学期はじめなどで、時期的には問題もあり御迷惑をおかけしましたが、近年になく多数の会員各位の御参加を得まして熱心にご討議賜わりましたことに探く感謝しております。
本年の第21回近畿学校保健学会は、滋賀大学の山田 一 教授を学会長に得て自然の風物、特にさざなみの湖面も美しい滋賀県で開催されることになっております。目下多くの難問題と取り組みつつ、学会開催準備のため鋭意御努力を賜わっております。
激動する未来社会に逞しく生きることの真実性をより深く追求するためにも、学校保健をこよなく愛される学会員各位ができるだけ多く参加され、白熱の討議を通じて学校保健がより大きく深く充実される学会であることを心から期待致します。
――昭和49年7月25日 近畿学校保健学会通信 No.26 より――
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