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第19回近畿学校保健学会を終えて
大阪教育大学 教授 上林 久雄
最近、健康問題に関する記事やニュースが新聞紙上をにぎわすようになってきましたが、このことは、わが国の急激な社会変化のもたらした一つの現われであり、それとともに、国民一人一人が、健康について関心をもつようになってきたと考えられます。
ところで、<健康>という意味や概念について、わが国では、とかく抽象的、理論的にとらえられている傾向にありますが、欧米、とくに英国では古くより、<健康>は<保健活動>をさすことが慣例化されており、今日では、<健康>という意味は、生活環境の充実、教育活動、医療サービス等を綜合した<綜合保健活動>であるとされています。
このように<健康>の意味をとらえますと、学校保健の目的とする<健康>ということは、たんなる理屈ではなしに、<保健活動>そのものでなくてはならないと考えます。
近畿学校保健学会は、発足以来、「教育現場の保健活動と大学等の研究機関との連携」を緊密にして活動をつづけてきましたが、上に述べた意味で考えると、他の学会と異ったユニークな面をもつ学会であると思います。
昨年の第19回近畿学校保健学会もこのような方向で大阪で開催させて頂き、猛暑の中を多数の先生方の御参加を得て、熱心に討議して頂いたことを深く感謝しております。本年は、学会発足20周年にふさわしく、古都平城の都で、学会発足以来、学会の発展に御尽力を賜った天理大学の橘 重美教授を会長にいただき、第20回近畿学校保健学会が開催されることになりました。昨年末に、保健体育審議会より出された「学校保健の充実」についての答申にもありますように、学校保健も時代とともに、刻々と変化しつつあります。新しい学校保健をめざして、先生方と学会の一日をゆっくり勉強できることを心より期待しています。
――昭和48年5月21日 近畿学校保健学会通信 No.23 より――
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