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学会の改革について
大阪教育大学 詫間 晋平
いわゆる大学紛争の吹き荒れていた昨年の夏と今夏とを比較してみると正に隔世の感がある。いまや大学当局が、鳴り物入りで、「改革」「改革」と呼びまわりしないと、改革案作成の気運が盛り上がらない大学が多いようである。
このような状態では、世間から大学紛争も「昭和元禄の田舎芝居か」と皮肉られても致し方あるまい。
「治にいて乱を忘れず」の諺の如く、紛争の起らない先に、改革や改良に工夫をこらし、努力してゆくことこそ大切である。
大学紛争を「他山の石」として、本学会(日本学校保健学会)も、既に機関誌に公表されたようなメンバーで学会の改革準備委員を発足させ、数回にわたるエネルギッシュな会合の後、一応の改革案を作成、学会の常任理事会の了承をうる段階となっている。
しかし、理事会、評議員会、総会の承認をうけていないので、正式なものではない。
従って、これを軽々に論ずるのは、あるいは、勇み足のそしりをまぬがれないかも知れないが、事は、学会の将来を決める重要なことであるので、問題点について、一人でも多くの学会員各位の意見や討論を聞くことが望ましいと考えられる。
今回の改革案の一つの焦点は、私見によれば従来ともすると形式的になりがちであった学会の評議員会を充実し、評議員会に、学会の運営の実質的な代議権を認めようとしている点にある。
即ち、改革案においては、評議員は、会費をおさめた学会員により選挙されることとなる。その数は、各地区別に、学会員の20分の1(端数切り上げ)を基準とする。ここでいう各地区とは、北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国・四国、九州(沖縄を含む)であり、従来、学会の理事選出上の慣行として来た地区割りと変りはない。
この評議員の選挙は、他の学会の例からみても、おそらく郵便による投票となろうが、評議員が選出されると、今度は、その地区別評議員の3分の1(端数切り上げ)を基準として理事の定数が決まる。
理事の選出は、評議員の互選による仕組みとなっている。
さ らに、従来と変るもう一つの点は理事長の職を新たに設け、理事の互選により選出する。これと共に、これまで維持されてきた、学会会頭の職は置かないこととなる。従って、会頭に替るものは、各年次の総会を担当するものが、学会長となり毎年、交代することとなり、学会の日常的な業務は理事長および常任理事(2名)によって処理されることとなろう。また、評議員、理事などの学会役員の任期は、従来より1年延長されて、3年となる。
各年次の学会長は、改革案によれば、評議員会において決定され、総会に報告される手順となる。
紙面の関係もあって、その他、詳細にわたって記述できないが、筆者の見るところ、上述の諸点を除いては、従来の本学会会則と内容的に余り大きな変化はないと考えられる。
それにしても、評議員の選出を投票とし、評議員会の機能を充実し、代議員会的な性格を持たせることは、本学会として画期的なことであり、他の伝統ある諸学会の組織・運営に比肩するものとなろう。
しかし、形式のみ整っても、それを与えるものは、あくまでも、学会員一人一人の学校保健研究の意欲と努力であろう。学会員の連帯と拡がりが、充分でなくては、折角の形式も、画竜点晴を欠くこととなる。
これは、蛇足であるが、近畿地区の学校保健の実践的活動や、研究業績は、全国的に見ても、かなり注目されているところであるが、学会員の拡がりという点からみると、必ずしも充分でないように思われる。
本年度の京都における近畿学校保健学会、来年度の大阪における学会総会などを契機として、学会員、相互の学問上の対話と連帯により、近畿の学校保健界の一層の充実・発展が図られるものと念じている。
最後におことわり申しあげたいのは、学会改革案に関するこの記述は、あくまでも、一改革準備委員としての私見であるという点であり、近畿御在住の他の委員や学会役員の先生方から、不備の個所は、御叱正を賜わらねばと考えている。
――昭和45年8月25日 近畿学校保健学会通信 No.18 より――
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