近畿学校保健学会

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 近畿学校保健学会へのそのときどきの想い 第 II 期
 

学校における環境衛生活動

和歌山市立雑賀小学校 保健主事   井辺 八郎


 学校においてハンカチ、はな紙を持っていない子、つめを切っておらない子、また、ゴミや紙くずが落ちていても拾おうとしない子、自分の机の中に不要物が入っていてもそれに対して無関心な子たち、自分の身のまわりの整理整頓の行動が出来ない子の多い事に気づく時、私たちはこれでよいのであろうか。
 学校の美化やその他の環境衛生に力を入れてもこの様な子どもがいる限り本当の環境整備環境衛生が保たれるのだろうか淋しい気持になる。大きな理想を持つ前にもう少し足もとの現状を見つめ考えるべきであろうと思う。

(1) こんな子どもに
自己を中心とする身近な日常生活の中で私はどうしなければならないか、そして自主的に実践出来る子に育てるための努力が先ず環境衛生を進展するための第一歩であろう。そして又他の人々(級友や家族)とも協力してやろうとする意欲的な子どもを育てることが大切でなかろうか。


(2) その方法
a.学級集団における係活動の活溌化
・自分達の学級は自分達の手で
・グループ内での各係を決める
 先ず小集団から大集団へ波紋の如く広げる事が何よりでなかろうか。小さなグループが各々一人一役主義をとり、各自の仕事をはっきりさせる。そしてグループ内での相互批判、話し合い、又各グループの同じ係の者がよりあい、反省と改善を話し合うことにより、欠点を補い美点をほめあう場をつくっていくことにより、実践への道に結びついていくのでなかろうか。

b.各教科との関連指導
 保健学習は保健の時間のみで学習されるものでないと思う。どの教科の時間であっても、その場、その機会をとらえて、その時点に於いて適切な指導がなされねばならない。休けい時けがをした子どもがあったとすれば、その時点に於いてその原因を考えさせる指導こそ生きた指導でなかろうか。現実に直面した時の子ども達の発言内容も生きた声として貴重なものである。又社会科の「健康で安全なくらし」という単元の流れの中にゴミの処理や処理場で働く人々の様子を見聞する中で自分達はどうしなければならないか、自分たちの行動によりその人々の苦労も大きくなり、又少なくすむという他の人々への協力の態度も或分野から見通されるのでなかろうか。

c.その他
 朝の会、学級会、終りの会等に遊びの問題やそうじの問題等も出される。この様な機会にも指導の手をさしのべる事が出来ると思う。


(3) 担任教師の自覚
 以上の様な事は言うはやすいが行うがむつかしい事である。学級担任の一人一人にこれらの事柄について関心を持っていただく事が第一である。保健そのものは本当に地味な仕事であるためによけいむつかしい。しかし私たちが本当に子どもたちの健康と安全を願うならば、どんなにかすばらしい環境づくりが生まれてくるであろう。私は大きく学校環境衛生活動と標題はふりかざしてはいるが、要は個々の子どもたちが、自分自身の足もとを見つめ実践する子を育てることであると思う、と同時に学級担任の保健に対する自覚と活動力が学校保健全般を向上させる大きな原動力であろうと思う。


――昭和45年8月25日 近畿学校保健学会通信 No.18 より――

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