近畿学校保健学会

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 近畿学校保健学会へのそのときどきの想い 第 II 期
 

事務局だより――編集会議の開催

 昭和41年6月19日開催の第13回近畿学校保健学会評議員会の席上、日本学校保健学会本部より機関誌「学校保健研究」の編集を依頼されたについて、昭和41年9月2日京都大学保健体育学教室で第1回編集会議を開き、編集委員長に冨士貞吉氏、副委員長に川畑愛義氏を選び同誌の近畿地区選出編集委員を中心に編集方針、原稿依頼などについて協議した。ついで第2回(10月7日)第3回(11月1日)の会議を経て「学校保健研究」1966年11月号(発育促進特集号)及び1966年12月号(精神衛生特集号)の編集を行なつた。       

――昭和42年3月31日 近畿学校保健学会通信 No.10 より――


                                        
学校保健研究  第8巻 第11号(1966) 特集 発育の促進 ≫ のアウトライン


巻頭言 生命の尊重 ……………………………………… 冨士貞吉(日本学校保健学会名誉会員)
  「人命は鴻毛よりも軽し」とは戦前、われわれの人口に膾炙した言葉であった。戦後は児童憲章で人命は何ものよりも尊く、かつ重いものと定義された。また、これに対するあらゆる施策が行なわれているにもかかわらず、近時、社会のあらゆる領域で、人命軽視の事象を日夜、展開していることは遺憾の極みである。
  入試地獄は発育盛りの青少年の心身をむしばみ、石油コンビナートは無辜の民を亜硫酸ガスの犠牲に供え、無暴運転は数千、数万の人命を殺傷し、工場廃水は水源を汚染してヨロケ病やイタイイタイ病患者を集団発生させている。町には赤痢保菌者が手放し状態で跳梁し、好餌襲撃の機をねらっている。
  これらの問題は、すべて人と人との人為的相関であって、当事者の自覚によって、それらの被害を最小限度に軽減し、あるいは絶滅することさえ期待できる。
  この観点から人命尊重の崇高な理念を、成人教育することもさることながら、幼少時代から、かれら一人一人の頭脳にきざみこむ学校保健教育の使命の重要性が痛感される。
  学校保健にたずさわるものはプライドをもって、その聖職に邁進しなければならない。

発育・発達に関する要因の分析  …………………………………松浦義行(京都大学)
人類学的にみた日本人体格の推移  ………………… 岩本光雄(日本モンキーセンター)
性教育における教育学的反省 ………… 岸 堅一(大阪市立中学校教育研究会保健部会長)
母子保健管理からみた乳幼児の発育   …………… 荻島武夫(厚生省母子保健課長)
健常者の柔軟性に関する衛生学的研究
  その4 柔軟性測定法の標準化 ……………………………… 大山良徳(京都大学教養部)
女子学徒の成熟促進現象に関する研究
  第1編 初潮に関する統計学的研究 …………………………北村栄美子(光華女子大学)
学徒の生活と体力の相関に関する研究
  第1編 児童の生活の実態に関する研究 …………………………仁科典子(池田工業高校)
平林常雄(池田小学校)川畑愛義(京都大学教養部)
第二次性徴期を中心にした身体発育と運動能力の発達に関する縦断的研究
……………………藤本実雄(九州大学)    
第13回近畿学校保健学会見聞記 ……………………………目黒庸雄 編(大阪学芸大学)

編集後記
  去る7月26日東京で開かれた編集委員の全体会議で、11月号と12月号は近畿ブロックの先生方に編集を受け持って頂くこととなった。
  その成果の始まりが本号である。特集号の形を取り、学問的薫り高き内容となった。学界に新風を吹きこむものとして、誠に喜ばしい。今後、このような企画が、ひとり近畿のみならず各ブロックから続出するならば学校保健界にとって一つの福音となろう。
  なお、今回の編集に参与された方々は、冨士、川畑、大山、山岡、吉岡、伊東、榊原、今井、佐守、武田、白川、永井、細部、八木、中牟田、米田の諸先生方である。記して深く感謝の意を表したい。      (S.T)

 

学校保健研究  第8巻 第12号(1966) 特集  精神衛生  のアウトライン


巻頭言 試験地獄の解消へ  …………………………………京都市学校保健会長 奥 岩吉
  近年の入学難に基づく過度の勉強のために、全国の児童生徒がいかに苦しみ、いかに健康を害しつつあるかは、いまさらいうまでもないことである。
  ある中学校で行なわれた父兄に対するアンケートによると「子どもの受験勉強はまっぴらである。何はともあれ、健康で明朗なそして精神力の旺盛な青年に育ててほしい」というのが圧倒的であった。思えばこれこそ慈愛あふれる親の心であり全国の父兄の切なる願いであろう。
  またある学者はこういう「現在の入試制度は、どう考えてみても人間形成には役だたぬ。早く改善せねばならないが、制度の改正よりも根本は社会の反省である」と。そうとすれば、社会的啓蒙には、学校保健学会ならびに同保健会は最も適した団体といわねばならぬ。大勢の会員の中には、その道のベテランもいるし、データが必要とあれば、それ相当の経験者もいることと思う。一方入試問題にしても、そうむずかしいものをえらぶ必要はない。その代り、保健・体育の面を重視する考え方もある。おそらく衆知を集めて研究すれば、いろいろとよい知恵が出るであろう。
  いずれにしても入試制度の改善は、児童生徒の健康上、きわめて重大な問題であるだけに、学校保健学会および同保健会が、とりあげて真剣に研究すべきテーマであると思う。道は遠く険しいが、児童生徒の幸福のため、はたまた健全な第二の国民の育成のために、全国学校保健界の奮起を望む次第である。
  以上私は思わず学校保健学会ならびに学校保健会の共通の悩みを訴えたが、もともと両者は同じ目的を持ちながら、一は理論の貧困に苦しみ、一は研究素材の不足をかこつ現状に鑑み、私は有無相通ずる意味で、両者の合体もしくは連けいの強化は、学校保健の発展のために祝福すべきことではないかと思う。読者のご一考を煩わす次第である。

都市の精神的圧迫とノイローゼ ……………………………… 冨士貞吉(常磐会短期大学)
幼児の性格形成について:幼児児童性格診断テストとその応用
                        ……………高木俊一郎(大阪学芸大学保健養護学科)
学徒の生活と体力の相関に関する研究
第2編 児童の発育促進とその背景の作用 ……………………仁科典子(池田工業高校) 
                                                      川畑愛義(京都大学教養部)
児童・生徒の自律神経緊張傾向の研究
―緊張度の測定法(PSMテスト)について―  …………榊原栄一(大阪学芸大学保健学教室)
                                    寺内幸雄(大阪市立南百済小学校)
中学生・高校生の精神衛生上の諸問題 …………小林淳鏡(京都大学 保健診療所 神経科)
成長とホルモン …………………………中島博徳 村田光範(千葉大学医学部小児科教室)
3歳時の問題点―特に臨床心理学的立場から―…………中西重美(大阪学芸大学)
女子学徒における発育促進に関する研究(その1)……………宮地彰雄(京都女子学園)
最近にみる非行少年の諸問題と家庭教育・学校教育 ………山根真住(追手門学院大学)
研究室だより―大阪学芸大学保健学教室― ……………………………… 榊原栄一
                                              

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